北里大学一般教育紀要
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原著論文
コンピュータを用いた学習を支援する汎用TAエージェントの検討
高橋 勇
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2016 年 21 巻 p. 39-58

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抄録

本稿ではコンピュータを使った学習を支援する手法のひとつについて議論する。近年、一般の授業でも自学自習や課題提出等にコンピュータが使われている。一般に学習活動においては単一のアプリケーションの機能だけでなく、OSやLMSの機能等も併用するが、ヘルプ機能などは独立しており、行きづまった学習者に対して教育の流れの中でトータルに支援する仕組みは存在していない。そのため画像つきの作業手順書を作成して学習者へ提供する教員もいるが、それでも、学習者が行きづまることがある。このような学習者への支援の役割はティーチングアシスタント‹TA ›が担っているが、多くの授業や自習環境に対してTAを配置するのは難しい。そこで本研究ではTAの役割の一部を担う知的シングルエージェントの開発を目指し、そのシステムの枠組みと実装方法を検討した。基本的なアイデアは、教員が作成した作業手順書とパソコンの操作に関する基礎知識を利用し、学習者との対話やパソコン画面のキャプチャ結果から行きづまりの状況を把握し、いわゆるデスクトップマスコットに画面のポインティングなどをさせながらアドバイスを提示することである。本手法は、作業手順書と基礎知識とを入れ替えることで、学習内容や利用環境によらない支援が可能である。本稿は本研究について2012~2014年度に口頭発表した内容を再整理し、最新の成果や考察を加えてまとめたものである。

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