日本航空宇宙学会誌
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軌道ベース運用の実現に向けた技術動向(<特集>将来航空交通システムの実現に向けた研究開発 第5回)
福田 豊
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2012 年 60 巻 10 号 p. 371-376

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抄録

軌道ベース運用(TBO:Trajectory Based Operation)は,航空機の4次元軌道(3次元位置と時間)を計画し,それに基づいて運航する将来の航空交通システムの運用概念である.航空機の最適な軌道を実現するため運航前から関係者間で軌道を調整し,飛行中は軌道を航空機と管制機関間で共有し,気象の変化などに対応して修正される.将来の航空交通システムに関する長期ビジョンCARATS(Collaborative Actions for Renovation of Air Traffic Systems)や国際民間航空機関のASBU (Aviation System Block Upgrades)構想には, TBOの施策が段階的に計画されている.本稿では,これらの施策に示されているTBOの実現のための主要な技術要素(時間管理,性能準拠型航法,データ通信,情報処理システムなど)について,現状,導入計画,国際基準の策定などを含めながら解説する.

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© 2012 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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