日本航空宇宙学会誌
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航空機における人間中心の自動化と課題(<特集>飛行士との,飛行士による,飛行士のための宇宙船の安全制御 第12回)
舩引 浩平津田 宏果
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2016 年 64 巻 1 号 p. 20-23

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抄録
電子技術の進歩に伴って1980年代から航空機の自動化が大幅に進んだ一方で,自動化システムと人間との関わり方に主要な原因をもつ航空機事故の発生が目立つようになり,当該の問題に対して数多くの研究がなされた.その結果,「人間中心の自動化」と呼ばれる概念が以降のコックピット設計の基本的な指針を与える一方で,ディスプレイやシステムなどの具体的な設計の指針や設計妥当性の評価基準などが生み出された.これらの概念や知見,基準などは現在でも更新されながら,航空機の開発や設計,安全性の証明などに活用されている.具体的な例としては航空機の衝突防止装置の自動化が挙げられる.基本概念の登場から10年かけて実用化された衝突防止装置は,その実用化当初から自動化が求められていたが,さらに20年をかけて自動化が現実になりつつある.その過程は人間中心の自動化の概念に沿ったものといえる.
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© 2016 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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