2016 年 64 巻 10 号 p. 299-304
宇宙航空研究開発機構(JAXA)のD-SENDプロジェクトでは,低ブーム設計概念を適用して設計・開発した試験機(供試体)を成層圏気球から落下,飛行させて低ブーム設計概念を実証する第2フェーズ(D-SEND#2)試験を2013年と2015年に実施した.特集の第7回として,本稿ではD-SENDプロジェクトで開発・使用したブーム計測システムの概要と,2015年の第2回飛行試験におけるソニックブーム計測結果の概要を述べる.第2回試験では,3箇所の計測地点で750 mまでの複数高度の空中および地上の屋内外で計測を実施した.目標となった計測地点では所望の条件で飛行した供試体から発生したソニックブームを計測し,低ブーム設計概念実証に必要なデータの取得に成功した.加えて,他の供試体位置で発生したソニックブームも目標計測地点を含むすべての計測地点に到達し,複数の飛行条件で発生した種々の波形が計測された.