2016 年 64 巻 11 号 p. 327-333
宇宙航空研究開発機構(JAXA)の低ソニックブーム設計概念を実証するためのD-SENDプロジェクトでは,低ブーム設計概念を適用して設計・開発した試験機を成層圏気球から落下,飛行させて低ブーム設計概念を実証する第2フェーズ(D-SEND#2)試験を2013年と2015年に実施した.特集の第8回として,本稿ではプロジェクトの目的である低ソニックブーム設計概念の実証結果の概要を述べる.2015年の第2回飛行試験で計測されたD-SEND#2のソニックブーム圧力波形は,大気乱流の影響を受けたため想定した設計波形とは異なっていたが,JAXAで新たに開発した推算ツールを用いてその影響を評価することにより,D-SEND#2に適用した低ソニックブーム設計概念の効果を実証することができた.