日本航空宇宙学会誌
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特集 モーフィング技術 第4回
モーフィング翼における最適設計法の活用
小木曽 望
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2016 年 64 巻 6 号 p. 180-185

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抄録

モーフィング翼の目的は,抗力の削減,揚抗比の向上といった空力性能の直接的な向上から,燃料消費量の削減といった航空機の経済性の向上,騒音削減などの環境性能改善など多岐にわたる.本稿では,モーフィング翼の性能向上における最適設計法の活用に着目する.モーフィング翼の設計問題は,翼平面形や翼型に関するパラメータを設計変数として揚力や揚抗比を最大化する設計問題だけでなく,その変形形状を実現する内部機構や構造形態の設計,機構要素としてのアクチュエータや表皮構造の設計,あるいはそれらを一体化するスマート構造の設計など多岐にわたり,最適設計法はこれら幅広い設計問題に適用されている.本稿では,そのなかで翼型形状設計に関係する設計問題の適用例を紹介するとともに,近似モデル,ロバスト多目的最適設計など最適設計における最新の発展についても述べる.

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© 2016 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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