2016 年 64 巻 6 号 p. 186-191
国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構は,増大する航空需要に対応するため次世代運航システムの研究開発プロジェクトDREAMSを実施し,航空機の離着陸フェーズを対象に5つの技術分野での技術開発を行った.その内の1つである気象情報技術では,1)後方乱気流に起因する離着陸間隔の短縮に向けた研究,2)安全性向上や運航障害の発生低減を目的とした低層風擾乱(低高度で発生する風の急変(ウィンドシア),乱気流等)に関する情報提供技術の研究,を実施した.研究成果の一部は,国際民間航空機関(ICAO)での国際規格化への貢献,航空局施策の意志決定への反映や気象庁プロダクトとしての実用化といった実社会への還元が進んでいる.