2016 年 64 巻 8 号 p. 235-241
宇宙航空研究開発機構(JAXA)航空技術部門構造・複合材技術研究ユニット(元航空本部複合材技術研究センター)では,これまでの複合材研究開発実績を基に脱オートクレーブ(OoA : Out of Autoclave)法を用いたスピードブレーキを例に,設計・試作を行い,航空機に装着して飛行実証を試みた.航空機構造部品に関する材料選定から,設計,製造,地上試験,飛行試験まで一連の研究として公開する機会は非常に少ない.また,実機を用いて技術適用の可能性を示すことは,今後の我が国の航空技術研究開発のアプローチや構造技術研究者へのモチベーションにも大きく影響すると考える.本解説では,航空機部品としてスピードブレーキを選定し,OoA工法を用いた複合材構造を設計,試作,強度確認試験,飛行実証を行った結果概要について紹介する.