2016 年 64 巻 8 号 p. 242-247
近年,人の手で行われてきた大型建造物(高層ビル,橋,ダム,船など)の検査解析や広範囲に渡る航空計測などに無人小型飛行体(ドローン)を導入する機会が増加してきている.これは,大掛かりな手順やリスクを伴う作業の単純化と安全性の向上がドローンを導入することによって可能になったからである.一方で,ドローンには様々な制約が存在しているため(飛行可能時間,荷重制限,飛行可能な風速制限や気象条件など),これらを攻略する技術的な課題に直面している.ハードウェア分野においては小型モーター(エンジン),小型電源(エネルギー伝送),素材(複合材料)などの課題が,ソフトウェア分野においては主に人工知能技術(画像認識,自律飛行,アーキテクチャ開発など)の課題に直面している.本解説では,現在ドローンが抱える課題に言及しつつ,実用化されたドローンシステムを一層の活躍が見込まれる建造物などの検査解析・計測・探索分野に用いた場合の優位性について紹介する.