日本航空宇宙学会誌
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特集 宇宙からの高性能光学観測を支える技術 第2回
X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)高精度構造システムの開発報告
石村 康生河野 太郎馬場 満久安田 進竹井 洋峯杉 賢治高橋 忠幸松元 和郎対馬 雅明尾曲 邦之阿部 和弘鬼頭 玲中山 大輔
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2017 年 65 巻 1 号 p. 5-10

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抄録

X線天文衛星「ひとみ」(ASTRO-H)には,軟X線分光検出器,軟X線撮像検出器,硬X線撮像検出器,軟ガンマ線検出器の4種類の合計6台の観測機器が搭載されている.科学観測のためには,これらの機器を,軌道上で同じ天体を同時に指向させて,ある許容誤差範囲内に維持することが必要である.そのため,本衛星の構造システムには非常に高い形状精度と安定度が要求された.また,硬X線望遠鏡の焦点距離12 mを実現するために,本衛星は軌道上で全長14 mという国産科学衛星としては最大規模の大きさとなった.開発および検証においては,本衛星は上記の精度のみならず強度検証においても特徴があった.軟X線分光検出器に搭載された冷凍機用のアイソレータが非線形な振動特性を有していたためである.本稿では,この高精度かつ大型なASTRO-Hの構造システムの開発および検証結果を精度と強度の観点から紹介する.

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© 2017 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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