2017 年 65 巻 12 号 p. 361-364
日本では,昨今大規模な災害に見舞われている.2011年の東日本大震災や大雨による被害は甚大である.こういった状況で,防災分野の重要性はますます高くなっており,その中で宇宙を利用した防災への取り組みが進められている.地球観測衛星による観測画像の提供や通信衛星によるインターネット接続の提供,GPS観測による地殻変動の活用など宇宙技術の利用が進んでいる.衛星測位の分野では,米国のみならず,ロシア,中国,欧州等の測位衛星システムの運用が開始しており,マルチGNSS時代に突入している.衛星測位が使える場所・時間が拡がり,更に精度も向上していることから,利用者にとって,より使いやすいサービスに発展している.衛星測位は,防災分野の中でも災害発生前の津波監視,地すべり監視,復旧に役立つプローブカー等,様々な防災アプリケーションに活用されているが,衛星測位技術の発展に伴い,更に適用範囲は拡がりつつある.