日本航空宇宙学会誌
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特集 宇宙からの高性能光学観測を支える技術 第5回
高感度観測ミッションに必要な機械式冷凍機の研究開発
佐藤 洋一篠崎 慶亮杉田 寛之
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2017 年 65 巻 8 号 p. 244-249

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抄録

宇宙機観測ミッションにおいて高感度観測を実現するキー技術の一つが機械式冷凍機であり,ミッションの高度化・長期化に伴ってその冷却性能・信頼性の向上が求められている.現存する国産の宇宙用機械式冷凍機として,1段スターリング冷凍機(冷却温度レベル:50~80 K),2段スターリング冷凍機(冷却温度レベル:20 K),4K級ジュールトムソン冷凍機がそれぞれ開発され,地球・天文観測ミッションに搭載されて軌道上運用実績を積み重ねてきた.また,次世代ミッションに向けて,これまで超流動液体ヘリウムによる寒剤冷却で達成していた低温度領域を実現するための1K級ジュールトムソン冷凍機や希釈冷凍機圧縮機の研究開発を実施してきた.本稿では,国内の宇宙用機械式冷凍機に焦点を当て,その開発状況や軌道上運用実績,次世代機に向けた研究課題などについて紹介する.

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© 2017 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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