日本航空宇宙学会誌
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特集 SIP革新的構造材料 第1回
端面衝撃損傷を有するCFRP構造の破壊挙動及び強度評価手法
岡 功介柏木 聖紘三浦 一浩佐藤 幸宏阿部 俊夫高木 清嘉
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2019 年 67 巻 10 号 p. 344-349

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抄録

航空機の複合材構造では製造中・運用中に発生することが想定される損傷を考慮した損傷許容設計が適用される.特に衝撃荷重による損傷は複合材構造の残留強度を大きく低下させるため,面外方向の衝撃後圧縮(CAI)強度に関する研究がこれまでに多く実施されてきた.一方でストリンガ等の端面においても衝撃損傷が生じる可能性はあり,端面衝撃は面外方向の衝撃に比べ比較的小さな衝撃エネルギーで端面衝撃後圧縮(CAEI)強度が大きく低下するため,ストリンガ等の軸力部材にとってクリティカルな損傷ケースとなりうる.本稿では端面衝撃による損傷の詳細観察と損傷進展解析を実施し,端面衝撃による層内のき裂状損傷がCAEI強度に大きく寄与することを示した.また端面衝撃によるき裂状損傷を板厚方向に貫通するシャープノッチとして扱う簡易解析手法を提案し,CAEI強度を許容可能な精度で安全側にかつ迅速に予測できる目途を得た.

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© 2019 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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