2019 年 67 巻 11 号 p. 366-368
軽量構造材料である炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を用いた展開構造は宇宙ミッションに不可欠であり,展開性能の信頼性が強く求められる.CFRP構造がミッション前もしくはミッション中に数カ月から数年間の間宇宙環境下に曝されると,材料特性や構造特性変化が生じ,展開性能に影響を及ぼすことが懸念される.本研究では,展開構造に使用されるCFRPが宇宙環境下に曝された場合の特性変化を明らかにするため,ExHAMにCFRP材料及び展開構造を搭載し,1年間から3年間の宇宙環境曝露実験を行っている.LCR(Long-Term Composite Reliability)と名付けたこのプログラムは,①CFRPの経時変化評価実験と②CFRP展開構造の展開性評価実験からなり,ここでは,この実験目的及び実施中の実験状況を報告する.