2019 年 67 巻 11 号 p. 382-388
今後予想される旅客機の空港離発着回数の増加から航空機の更なる低騒音化が求められているが,着陸進入時に高揚力装置と降着装置を主音源として発生する機体騒音の低減が今後の技術課題となっている.本稿は,JAXAが国内企業との協力の下で取り組んでいる機体騒音低減技術の飛行実証プロジェクトFQUROHについて,その背景となる航空機騒音の機体騒音の問題と低騒音化技術の実用化に向けた課題,そして最近の飛行実証試験などの国際的な動向について概要を述べ,次いでFQUROHプロジェクトの狙いと考え方,低騒音化設計の実用的な基盤技術確立に繋がったJAXA実験用航空機「飛翔」を用いた飛行実証の成果の概要について紹介する.