2019 年 67 巻 11 号 p. 375-381
モンテカルロ・シミュレーション(MCS)は非線形システムを直接評価できる利点から,航空宇宙システムの飛行前の評価手段として国内外で広く利用されるようになってきている.MCSでは設計仕様を満足できない確率(以下,失敗確率)などの統計量として結果が得られるが,設計ではこの失敗確率を小さくするように改善検討を重ねる.改善手段として設計パラメタを調整する方法がある.本稿で取り上げる設計パラメタの最適化は,この設計パラメタの調整を自動化し,MCSから得られる失敗確率が最小となる設計パラメタを出力する機能である.本手法における課題は,評価する量が「多数の不確定入力パラメタが考慮された失敗確率という統計量」であり確定値ではないこと,および「繰り返しMCSを実行するため計算負荷が非常に大きい」ことである.本稿ではMCSを利用する最適化法の概要,アルゴリズム,計算負荷軽減の方策,ユーザ・インターフェースなどについて解説する.