日本航空宇宙学会誌
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特集 実フライトレイノルズ数への空気力学の挑戦 第11回
実フライトレイノルズ数の空気力学に関する科学工学研究の側面
松尾 裕一阿部 浩幸河合 宗司
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2019 年 67 巻 9 号 p. 304-309

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抄録

レイノルズ数は,流体の粘性の影響を表す無次元相似パラメータである.民間航空機(小型を除く)の実フライトにおけるレイノルズ数は107以上のオーダであり,実験室や一般的な風洞試験のそれは106のオーダなので1桁以上の差がある.この差が流れ現象や航空機の空力特性にどのような影響を及ぼすかがここでの主要な興味である.まず,レイノルズ数の持つ現象論的な意味や工学的に使われる定義について触れる.次に,科学(学術)的研究の側面からは,高レイノルズ数の壁面乱流における速度分布,定数系,摩擦則,渦構造等の研究状況や課題についてサーベイし分析する.最後に,高レイノルズ数の工学的研究の側面に関して,米国AIAAで行われている系統的なワークショップや欧州におけるプロジェクトの状況,高レイノルズ数の解析法や計測法についてサーベイし分析する.

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© 2019 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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