2020 年 68 巻 5 号 p. 161-167
SS-520 5号機は既存の2段式固体燃料ロケットSS-520の上段に3段固体モータを組み込んで超小型衛星を打ち上げられるように開発した機体である.したがって,既存の機体に新規開発部分を組み込んだコンフィギュレーションではあるが,構造的には打上げ性能確保や運用の観点から,既存機体の一部に軽量化や改修を実施している.本稿では,新規開発を行った2/3段接手,及び,既存のノーズコーンを高スピン下で開頭させるために開頭挙動の解析や開頭試験の結果を基に対策を施した頭胴部を中心に,機体構造の概要を説明する.