2020 年 68 巻 7 号 p. 210-216
HTV搭載小型回収カプセルは,小型でありながらもこれまでの我が国の再突入機にはなかった新しい技術を有しており,アポロ11号から50年を経てようやく日本も有人帰還カプセル技術への一歩を踏み出すことができた再突入機である.この開発においては,JAXAがシステムの設計,システムの組立と環境試験を実施するJAXAインテグレーション方式という開発体制をとり,我が国初となる揚力誘導制御技術と軽量アブレータ技術の飛行実証,及び国際宇宙ステーションからの物資回収に挑んだ.本稿では,世界最小の揚力誘導回収カプセル開発におけるシステム設計とインテグレーションについて説明する.