日本航空宇宙学会誌
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特集 はやぶさ2の10年の軌跡-開発から拡張ミッションまで 第2回
はやぶさ2のシステムと開発経緯
大島 武
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2021 年 69 巻 10 号 p. 295-301

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抄録

2014年12月に打ち上げられ,2020年12月にカプセル地球帰還を果たした小惑星探査機はやぶさ2のシステム設計と開発経緯について述べる.外部搭載機器の搭載位置や指向方向は,運用全体を見通した上で,はやぶさ2が予定する軌道と,太陽,地球,小惑星の位置関係から決めた.電源系は,太陽距離が大きく変化することを考慮した設計としている.通信系は,運用に合わせたアンテナ配置としている.姿勢軌道制御系は,小惑星近傍運用向けの機器や自動化自律化機能を持つ.データ処理系は柔軟な自動化自律化機能や,低ビットレートにも適合したテレメトリシステムを持つ.熱制御系は,ピーク電力を抑え,イオンエンジンに最大電力を供給できるピークパワー制御機能を持つヒータ制御装置を採用している,など.開発経緯については,主要スケジュールと,はやぶさ初号機からの変更点について述べた.

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© 2021 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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