2021 年 69 巻 8 号 p. 258-263
これまでの海洋資源調査等では,海洋上での高速通信回線が確保できないため,航海中に陸上拠点とデータを共有することが難しかった.このため,船舶に搭載している装置や乗船している限られた調査員の専門分野の範囲内のデータ解析や判断しかできず,調査を効率化することが困難であった.本報告では近年の海洋上での通信サービスの現状を踏まえ,海洋資源調査等の効率化に資する海洋高速衛星通信サービスの実現に向けた研究開発の取組と開発した船舶搭載地球局の機能・性能について紹介する.また,開発した地球局を用いて関係機関と連携して実施した実海域での衛星通信実験についても報告する.