日本航空宇宙学会誌
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69 巻, 8 号
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特集 はやぶさ2の10年の軌跡―開発から拡張ミッションまで 第1回
  • 津田 雄一
    2021 年 69 巻 8 号 p. 245-251
    発行日: 2021/08/05
    公開日: 2021/08/05
    ジャーナル 認証あり

    小惑星探査機はやぶさ2は,2014年に打ち上げられ,2018~2019年にかけて小惑星リュウグウを探査し,2020年に地球帰還を成功させた.リュウグウとの往復航行にはイオンエンジンによる連続推力軌道制御,地球スイングバイ,光学電波複合航法などの技術が用いられた.到着により明らかになったリュウグウは地形が想定外に険しかったため,探査機の当初性能や計画を超える挑戦を迫られたが,事前の周到な準備と適応力の高いチームビルディングにより,計画されていたすべてのミッションを遂行することができた.主要な成果としては,複数の探査ロボットによる地表探査,2度にわたる精度1 mレベルでの着陸,直径18 mの人工クレーター生成等である.はやぶさ2の地球帰還カプセルは,2020年12月6日に豪州ウーメラ砂漠に帰還した.その後探査機本体は,拡張ミッションに移行し,新たな2つの小惑星にむけて飛行を続けている.本稿は,はやぶさ2の計画,経緯,成果を概説するものである.

特集 超高速インターネット衛星(WINDS)の実験成果 第6回
  • 菅 智茂, 鄭 炳表, 薄田 一, 川崎 和義, 髙橋 卓, 豊嶋 守生
    2021 年 69 巻 8 号 p. 252-257
    発行日: 2021/08/05
    公開日: 2021/08/05
    ジャーナル 認証あり

    衛星通信は災害時等の緊急時の有効な通信手段として注目されている.情報通信研究機構(NICT)では超高速インターネット衛星きずな(WINDS)を自動追尾するアンテナシステムを搭載した小型車載局を開発し,移動しながら衛星回線を構築できるようになった.電波伝搬環境を把握することは通信システムを構築するうえで重要であり,開発した小型車載局を用いることで移動しながらの伝搬測定が可能となった.本稿では南海トラフ地震を想定し,四国,近畿地方,九州地方,西日本日本海沿岸地方において高速移動環境下でのKa帯衛星通信における電波伝搬測定及び伝送特性測定実験を行った結果,並びに衛星-地球局間に存在する遮蔽物の影響について検討した結果について報告する.

特集 超高速インターネット衛星(WINDS)の実験成果 第7回
  • 吉村 直子, 菅 智茂, 川崎 和義, 髙橋 卓, 豊嶋 守生
    2021 年 69 巻 8 号 p. 258-263
    発行日: 2021/08/05
    公開日: 2021/08/05
    ジャーナル 認証あり

    これまでの海洋資源調査等では,海洋上での高速通信回線が確保できないため,航海中に陸上拠点とデータを共有することが難しかった.このため,船舶に搭載している装置や乗船している限られた調査員の専門分野の範囲内のデータ解析や判断しかできず,調査を効率化することが困難であった.本報告では近年の海洋上での通信サービスの現状を踏まえ,海洋資源調査等の効率化に資する海洋高速衛星通信サービスの実現に向けた研究開発の取組と開発した船舶搭載地球局の機能・性能について紹介する.また,開発した地球局を用いて関係機関と連携して実施した実海域での衛星通信実験についても報告する.

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