2022 年 70 巻 1 号 p. 9-15
宇宙航空研究開発機構で実施したエコウィング技術の研究開発事業で検討した抵抗低減技術についてまとめた.技術参照機体TRA2022について,摩擦抵抗と誘導抵抗の低減に供するため,自然層流翼設計,遷移を促進する臨界粗さの調査,様々な境界層制御,翼端および翼胴結合フェアリングの形状設計を適用した.自然層流翼設計は,TRA2012Aに対しては3.9 cts(1 ctsはCD=0.0001に相当),TRA2022の2次形状に対しては0.2 ctsの摩擦抵抗低減を獲得し,風洞試験でも検証した.遷移を促進する臨界粗さの調査では,三次元境界層に対する臨界条件を獲得した.プラズマアクチュエータによる遷移抑制では,コード長の4%を遅延するアクチュエータ配置を考案した.一様吹出しおよび吸込み/吹出しの組み合わせ制御による乱流制御では,20–40%程度の抵抗低減を獲得した.翼端設計および翼胴結合フェアリングについても目標以上の抵抗低減を達成した.すべての項目について個別の目標を達成し,事業の目標達成に貢献した.