日本航空宇宙学会誌
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連載 地球/月圏での人間社会の構築に向けた人文・社会科学研究 第5回
Ⅲ.宇宙での知的活動の展開—宇宙の空間概念と表現論—
森脇 裕之
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2023 年 71 巻 4 号 p. 104-110

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抄録

ハッブル宇宙望遠鏡によって,これまでとらえられなかった遥か彼方の星雲のイメージが続々と地上に送信されてきたとき,遠い宇宙の美しい姿が大きな感動を呼んだ.それはまさに芸術だ,と喉から声が出かけているはずなのに,その一言が天文学者や宇宙技術開発者からは直接的に聞こえてこないように思われる.科学が普遍性のある量的な認識世界に属さないものを,極力排除したうえで成立してきた背景によるものだろう.宗教・芸術に属する神秘的で抒情的なものは,科学の世界観に反するものとなり,科学と距離を取るようにされてきた.ハッブル写真のような心の琴線にふれる感動が呼び起こされたとき,科学と芸術の間を分け隔てる枠組みは,どれほど有効であり続けられるのだろうか.宇宙人文社会科学では,宇宙での人間の営みを考察するときに,そのわだかまりを明確化してゆく必要があるように思う.本稿では,宇宙に対する感動が,芸術文化表現のなかでどのようにとらえられてきたかを検証してゆく.そのなかで宇宙というテーマがいかに芸術的感動を生むのか,科学と芸術の融合分野は可能なのか.また科学と芸術の根底にある基本原理が宇宙と関わりあってどのように有効なのかを検証する.

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© 2023 一般社団法人 日本航空宇宙学会
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