日本航空宇宙学会誌
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特集 月探査活動のための測位・通信の総合システム構築に向けた日本の取り組みと国際連携 第7回
月測位実証ミッションにおける軌道・位置推定精度検証
片桐 征治秋山 恭平河手 香織青島 千晶中野 将弥
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2025 年 73 巻 11 号 p. 357-364

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抄録

本稿では,2020年代末に月圏に輸送が計画されている日本の月測位衛星システム(LNSS)の実証衛星における軌道推定,及び月面受信実証装置の位置推定の精度検証方法について論じる.LNSS実証衛星は,地球から飛来する極めて微弱なGNSS測位信号を高感度GNSS受信機で受信し,搭載測位計算機の航法フィルタで自身の軌道を推定する.月面受信実証装置は,月の南極域に設置され,LNSS実証衛星,ESA/NASAの月圏測位衛星が送信する測位信号を受信して擬似距離・搬送波位相・航法メッセージを地上に送信する.このデータを地上システムで処理することにより位置を推定する.これら軌道推定・位置推定の精度を評価するため,LNSS実証衛星と月面受信実証装置は,地上局からRARR観測,DDOR観測,LLR観測が行われ,これら観測データを用いた軌道推定・位置推定結果をリファレンスの座標値とする計画である.本稿では,リファレンス座標値として必要な推定精度を得るために実施した擬似データ解析について論じる.

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