2026 年 74 巻 6 号 p. 195-198
FJR710エンジンは1971年に通商産業省工業技術院の大型プロジェクト「航空機用ジェットエンジンの研究開発」の下で開発された,わが国初の高バイパス比ターボファンエンジンである.イギリス国立ガスタービン研究所擬似高度エンジン試験設備を使用した高空性能試験において,極めて性能が良いことが確認され,かつ,試験中のエンジン不具合が皆無であった.このことにより,国際的にも高性能であることが示され,この成果が,以後の日英でのRJ500の共同開発,日英米独伊の国際共同によるV2500の開発などのエンジン開発に引き継がれている.また,FJR710の発展形であるFJR710/600Sは航空宇宙技術研究所(現:JAXA)のSTOL実験機「飛鳥」に搭載され,100回近くの飛行試験に供された.以上により,日本の民間ジェットエンジン技術および事業に大きく寄与したものであるとして,航空宇宙技術遺産に認定する.