抄録
meshを用いたtension free repair法で行った鼠径ヘルニア術後75歳の男性患者の再発に対し, 腹腔鏡補助下に腹腔内の状態を観察しながら, 前方からのアプローチでヘルニア修復術を施行し, meshを除去することなくヘルニア門に新たなmesh plugを挿入して修復した. 腹腔鏡で観察すると, tension free repair後の再発ソケイヘルニアでも, ヘルニア嚢を容易かつ確実に識別することが可能である. そのため, ソケイ管内の不必要な剥離を行わず, ヘルニア門にmesh plugを挿入することで少ない侵襲での確実な手術が可能である. 術後4年を経過した現在も再再発はない.