北関東医学
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原著
脳卒中後遺症者におけるThe Nottingham Adjustment Scale Japanese Version (NAS-J) の信頼性の検討
外里 冨佐江王 治文飛松 好子山口 昇坂田 祥子亀ヶ谷 忠彦山田 裕子大黒 一司
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2007 年 57 巻 1 号 p. 29-35

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抄録
【目 的】 Nottingham Adjustment Scale Japanese Version (NAS-J) は障害者の心理的適応を多面的に測定する尺度とされる. 本研究の目的は脳卒中後遺症者を対象にNAS-Jの信頼性と内的整合性を検討することである. 【方 法】 S市に在住する45名 (男性29名, 女性16名) の脳卒中後遺症者を対象として郵送による自己記入式質問紙の再テスト法を行った. 統計手法は, 信頼性の検討にSpearmanの相関係数とWilcoxonの順位和検定を用いた. 内的整合性はCronbachのα係数を用いた. 【結 果】 対象者の平均年齢は64.9歳, 発症からの月数は50.3ヶ月, Activities of Daily living (ADL) 得点は7.1点, 老研式活動能力指標の平均得点は6.6点であった. 再テストによる各領域の相関係数は, 0.41から0.79であり有意な相関を示し2回の調査得点に有意な差がなかった. また内的整合性を示すCronbachのα係数は0.46 (ローカス・オブ・コントロール) から0.85 (自尊感情) であった. 【結 論】 NAS-Jは良好な再テスト信頼性を示し, 「ローカス・オブ・コントロール」の領域を除いて内的整合性は良好であった.
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© 2007 北関東医学会
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