北関東医学
Online ISSN : 1881-1191
Print ISSN : 1343-2826
ISSN-L : 1343-2826
原著
各種口腔ケアの効果に関する検討 - 口腔常在菌数を指標として -
第1報 含嗽剤の薬剤効果
茂木 健司笹岡 邦典樋口 有香子根岸 明秀橋本 由利子外丸 雅晴
著者情報
ジャーナル フリー

2007 年 57 巻 3 号 p. 239-244

詳細
抄録
【背景・目的】 口腔に存在する多数の常在菌は局所的疾患の原因となるだけでなく, 全身的障害をも引き起こす. そのため, 口腔ケアは全身疾患予防の観点から重要視されている. 今回, 各種含嗽剤による口腔常在菌数減少効果について検討した. 【対象と方法】 健常成人21名に対し, 含嗽前の唾液, および7%ポビドンヨード30倍希釈液, 薬用リステリン®(青色) 原液, 薬用クールミントリステリン®(黄色) 原液, おのおの30mlを, 15秒間口腔内に貯留後の唾液を検体とし, 一般細菌, カンジダの培養後, 含嗽剤作用前後のコロニー数を比較した. 【結 果】 一般細菌は, 含嗽前では全例から検出されたが, 含嗽後では69~93%で減少した. カンジダは, 含嗽前では27~47%に検出され, 含嗽後では25~88%で減少していた. いずれも薬用リステリン®(青色) の減少率が高かった. 【結 語】 含嗽剤を口腔に貯留することにより, 一般細菌, カンジダを減少させる効果が認められ, 特に薬用リステリン®(青色) の効果が高かった.
著者関連情報
© 2007 北関東医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top