抄録
【背景・目的】 2006年4月の群馬県周産期医療情報システム立ち上げ後1年間の新生児搬送に関する集計を行ったので報告する. 【対象・方法】 2006度の県内共通の新生児搬送情報提供書の複写を回収し集計した. また, インターネットを利用した新生児搬送応需情報モニター上の新生児搬送受け入れ不可能日数についての検討を行った. 【結 果】 群馬県の新生児搬送患者数は合計225人であった. 県外から14人, 県外へ3人の搬送があった. 搬送患者の在胎期間は23~41週, 出生体重は512~4,165g, 搬送理由は呼吸障害が74人, 低出生体重が72人と多かった. 県内の新生児搬送受け入れ不可能日数は出生体重1,000g未満では55日であった. 【結 論】 周産期医療情報システムにより新生児搬送の実態ならびに問題点を明らかにすることができるようになった. 今後, 搬送情報提供書の複写の回収率の向上, 県境をこえた搬送の把握が課題である.