抄録
【目 的】 外来通院しているがん患者の倦怠感の実態を調査し, 治療方法, 各症状の有無などの影響の分析を行い, 倦怠感緩和への援助に役立てることである. 【対象と方法】 A病院の外来通院がん患者204名を対象にCancer Fatigue Scale (CFS) を使用し質問票調査を実施した. また, 先行研究により指摘されている関連要因16項目についても併せて調査し, それらと総合的倦怠感得点との関係を分析した. 【結 果】 総合的倦怠感得点は平均値23.0 (標準偏差SD : 10.0) 点であった. 倦怠感得点19点以上の倦怠感の強い群の頻度は64.7%であった. 最終的に20項目の要因を投入し, 強度倦怠感の有無に関するロジスティック回帰分析を行った結果, PS, 孤独感, ホルモン療法, 放射線治療が大きく関連していた. 【結 語】 外来通院患者の倦怠感関連要因をアセスメントし, 孤独感を抱かせない様な支援が重要であることが示唆された.