北関東医学
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症例報告
鶏骨による小腸穿通に対し腹腔鏡アプローチを行った一手術例
堤 裕史岩崎 茂堀井 吉雄室谷 研高橋 憲史塚越 浩志吉成 大介小川 博臣竹吉 泉
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キーワード: 鶏骨, 小腸穿通, 腹腔鏡手術
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2009 年 59 巻 2 号 p. 165-169

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抄録
 症例は52歳, 男性. 右下腹部痛で当院を受診し, 急性虫垂炎の疑いで入院となった. 血液検査では軽度の炎症所見のみであったが, 腹部CTで小腸内にhigh densityな線状の異物を認めた. 小腸異物による穿通と診断し手術を行った. 腹腔鏡で腹腔内の検索を行うと回腸の一部に発赤を認めた. 発赤部位の直上で小開腹を行い小腸を切開し異物を摘出した. 異物はV字型の骨様であり形状と本人の食事歴より鶏骨と判断した. 術後経過は良好で術後6日目に退院した. 消化管異物の症例に対する腹腔鏡アプローチは広範囲に腹腔内の観察が行え, 最小限の創で処置が可能である. 病状に応じてはファーストチョイスになりうると考えられる.
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© 2009 北関東医学会
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