普段から日常診療活動で注意深く臨床経過や症例経験を観察するような問題意識を持ち, 様々なツールを利用して事象を探求していくという姿勢が重要である. そのためには常に日常の臨床活動で,「セレンディピティ (serendipity)」を信じることが非常に大切である. まさにセレンディピティは学会発表・論文執筆の原動力といえよう. 論文を単なる業績のひとつと考えればそれまでであるが,「自己の知見や技術が国内あるいは海外でどのように受け入れられ, また微力ながらも貢献できることはあるのか?」というのも学会発表や論文作成の大きな醍醐味である. 臨床と研究 (学会発表や論文執筆等) は決して相反するものではなく, 「車の両輪」のように, 互いになくてはならないものである.