抄録
【背景と目的】 早期産で低出生体重児を出産した母親の出産体験に関する研究は少ない. 本研究の目的は, 早期産で低出生体重児を出産した母親の出産体験の内容を明らかにし, 出産体験の意味づけへの支援を考える手がかりを得ることである. 【対象と方法】 対象は研究実施施設で低出生体重児を出産し, 出産から1カ月検診までの間に研究参加の同意が得られた母親9名とした. データは半構成的面接法により収集した. 分析方法はベレルソンの内容分析を参考に行った. 【結 果】 対象となった9名の出産様式は帝王切開での出産が5名, 経腟出産が4名であった. 早期産で低出生体重児を出産した母親の出産体験の内容として, 【出生後の子どもの生存を憂慮した体験】, 【早期産となることに恐怖を感じて出産した体験】, 【危機的な状況での夫の対応に満足・不満足感を感じて出産した体験】, 【医療スタッフの対応に満足・不満足感を感じて出産した体験】, 【出産に伴う身体の苦痛を感じて出産した体験】, 【切迫早産に伴う心身の苦痛を感じて出産した体験】の6つのコアカテゴリーが抽出された. また, 【出生後の子どもの生存を憂慮した体験】, 【早期産となることに恐怖を感じて出産した体験】, で全記録単位数の80%を占め, この2つのコアカテゴリーが早期産で低出生体重児を出産した母親の出産体験の特徴を示した. 【結 語】 本研究で抽出された出産体験の内容から, 子どもの生存を憂慮し自尊心の傷つきをもつ早期産で低出生体重児を出産した母親には, 産褥早期に妊娠中の経過からの振り返り, その時々の体験を母親がどの様に受けとめているか確認し, 意味づけを支援することが必要であると示唆された.