抄録
【背景と目的】 菊地病は良性疾患であるが, 若い人に多く発症するため, その臨床的所見を検討した. 【対象と方法】 2004年以来8年半の間に恵愛堂病院において菊地病と診断された10例を対象とした. リンパ節は免疫学的, 組織学的検討を行った. 【結 果】 対象は男性6例, 女性4例で年齢は17歳から45歳に分布し中央値は32歳であった. 表在性リンパ節腫脹は片側の頸部が9例であった. 発熱は9例中7例で確認されたが, リンパ節の自発痛は全例で認められなかった. 検査所見ではLDHは軽度上昇し, CRPは10例中8例が正常であった. 病理組織学的には多数の大型のリンパ系芽球, アポトーシスに陥った核片を貪食した組織球に加え, 形質細胞様樹状細胞や小リンパ球が見られたが, 好中球は認められなかった. 【結 語】 片側の頸部の表在性リンパ節腫脹と発熱を来たした若年者では菊地病も考慮して診察することが望ましいが, 悪性リンパ腫を鑑別するためにはリンパ節の生検をすることが望ましい.