北関東医学
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症例報告
乳癌術後に高カルシウム血症を契機に発見された悪性リンパ腫の1例
吉田 崇木村 盛彦後藤 與四成堀口 淳竹吉 泉
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2014 年 64 巻 2 号 p. 159-163

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抄録

症例は52歳の女性で, 3年前に左乳癌で乳腺部分切除, 腋窩リンパ節郭清を受けた. 病理組織診断は乳頭腺管癌で, リンパ節転移はなかった. 最近, 倦怠感, 食欲低下, 腰痛が出現し, 他院で高カルシウム血症と大動脈周囲リンパ節の腫大を指摘され, 当科に紹介となった. CTで大動脈周囲のリンパ節は著明に腫大し, 血清の可溶性インターロイキン-2レセプターは8980U/mlと高値を示したことから悪性リンパ腫を強く疑った. ゾレドロン酸とエルカトニンを投与し, 高カルシウム血症が改善した後, 他院血液内科に転院となった. 転院後, 頸部のリンパ節生検で, CD5陽性びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫と診断された. 化学療法が行われたが, 7か月後に永眠された.

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© 2014 北関東医学会
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