北関東医学
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原著
大腸がん患者における持続性末梢神経障害が社会生活に及ぼす影響
中澤 健二神田 清子京田 亜由美本多 昌子
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2014 年 64 巻 4 号 p. 313-323

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抄録
【目 的】 Oxaliplatinによる持続性末梢神経障害が大腸がん患者の社会生活に及ぼす影響を明らかにし, 看護支援を検討することである. 【対象と方法】 外来でOxaliplatinの総投与量が850mg/m2以上の大腸がん患者19名を対象に半構成的面接法によりデータを収集し, 質的帰納的分析を行った. 【結 果】 大腸がん患者における持続性末梢神経障害が社会生活に及ぼす影響を表す【社会生活基盤崩壊への恐れ】【他者との関係性を考慮した生活行動の依存と自立】【他者との関係性の中で生じる自己概念の揺らぎ】【しびれをきっかけに深まる親密性】【しびれにより脅かされる自己の存在価値】の5カテゴリとカテゴリ間の関連性が明らかとなった. 【結 語】 持続性末梢神経障害による社会生活への影響には関連性があり, 心理・スピリチュアルをも含むトータルな影響であると考えられた. 以上より, 患者の抱える持続性末梢神経障害への総合的なアセスメントが重要であることが示唆された.
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© 2014 北関東医学会
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