北関東医学
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原著
がんサバイバーの社会役割と治療の調和に向けた看護アルゴリズム支援の評価
菊地 沙織京田 亜由美藤本 桂子吉田 久美子清水 裕子神田 清子
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2019 年 69 巻 2 号 p. 111-119

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抄録

目的:本研究の目的は,研究者らが開発した「がんサバイバーの社会役割と治療の調和を促進する看護アルゴリズム」使用による外来看護への効果を明らかにすることである.

方 法:A県内のがん診療に携わる外来看護師に,アルゴリズムを使用した看護支援を実施してもらった.その後,所属毎にグループインタビューを実施し,質的帰納的に分析した.

結 果:対象者は28名で看護師経験が10年以上ある者が7割を占めた.外来看護への効果は49コードから10サブカテゴリーに集約され,「社会で生活するサバイバーを統合的にみることが可能になる」,「多職種をつなぎ支援の方向性を共有化できる」「外来看護師としての自己効力感が高まる」のカテゴリーが形成された.

考 察:外来看護師がアルゴリズムを使用したことでサバイバーの社会的背景を明確化でき,個別的な支援を可能にした.それによりサバイバーとの信頼関係強化の一助となり,看護師の自己効力感を高めることにもつながった.

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© © 2019, 北関東医学会
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