目 的:抗がん薬治療による末梢神経障害を伴う患者への多職種の認識と行動を明らかにすることである.
方 法:医師・看護師・薬剤師・作業療法士(OT)/理学療法士(PT)それぞれ4─9名に半構造面接を実施し,質的帰納的に分析した.
結 果:対象者は,医師6名,看護師9名,薬剤師7名,OT4名,PT5名の計31名であった.末梢神経障害を伴う患者へのチーム医療における多職種の認識は「医師・OT/PTが抱く末梢神経障害を伴う患者への介入の困難さ」,「末梢神経障害を伴う患者へのチーム医療における他の職種に望む役割」等の7カテゴリが形成された.多職種の行動では「末梢神経障害が出現した患者への支援および対処」等の3カテゴリが形成された.
考 察:対象者は,症状の早期発見と予防が重要であると認識し,患者への教育指導や関係職種への相談を行っていた.しかし,職種間のコミュニケーション不足などからチームで連携する意識は低く,効果的なチーム医療として機能していなかった.明らかとなった多職種の認識と行動をもとに,チームで効果的に取り組む医療ケア提供モデルの作成が課題である.