2023 年 73 巻 2 号 p. 163-170
目 的:本研究は,看護師のセルフ・コンパッションを育むプログラムの開発について,示唆を得ることを目的とした.
方 法:CINAHL,MEDLINEを用いてself-compassionとnurseをAbstractに含む海外の介入研究を抽出した.また医中誌,Googleを用いてセルフ・コンパッションをAbstractに含む国内の介入研究を抽出した.
結 果:海外文献5件,国内文献8件が抽出された.海外文献のうち3件はSelf-Compassion for Healthcare Communities(SCHC)という瞑想を含まないプログラムの研究であった.研修時間の短いSCHCは,看護師の参加率が高かった.また学びを定着するためにホームワークを課さず,仕事で困難に遭遇した時にワークを実践する,研修者同士でリフレクションする,研修後フォローアップを行うという方法で,長時間プログラムと同様のセルフ・コンパッション改善の効果を得ていた.一方,国内文献は研究によりプログラム内容が異なり,瞑想が最も多く用いられていた.
考 察:研修時間の確保が難しい看護者にとって,短時間プログラムは実用的である.また眠くなりやすい瞑想を除いてプログラムを構成することは,多忙な看護師にとって有用であると考える.