北関東医学
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原著
ピアサポート及びメール・LINEを活用した大学生の悩み相談に関する調査
大久保 朱音近藤 浩子
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2024 年 74 巻 1 号 p. 59-70

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抄録

目 的:本研究は,ピアサポート及びメール・LINEを活用した悩み相談に対する大学生の意向を調査し,その実施の可能性について検討することを目的とした.

方 法:A大学の学生4,448名を対象に,無記名Webアンケートを実施した.調査内容は,大学が提供する相談窓口の使いやすさ,相談に対する気持ち,相談ができるか,ピアサポートがあった場合の相談などであった.

結 果:学生617名がアンケートに回答した(回答率13.9%).大学の相談窓口利用に対する学生の気持ちは,「相談に行くのは勇気がいる」が70.8%,「こんなことで相談していいのか」が61.2%,「話したいことがうまく伝えられない」が52.3%であった.ピアサポートを利用する場合もほぼ同様であった.また相談方法としては,メールやLINEを好む学生が多かった.一方,ピアサポーターになることに関心がある学生は28.0%であった.ピアサポート利用の場合,「こんなことで相談していいのか」という回答が大学の相談窓口利用に比べてやや少なく,この傾向が特に相談できないという学生にみられた.

考 察:ピアサポートの活用には,これまで相談できなかった学生が相談につながる可能性のあることが示唆された.

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