北関東医学
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症例報告
内視鏡的乳頭括約筋切開術施行時の後腹膜穿孔に対し腹腔鏡下手術にて軽快した1例
鴨下 崇史沼賀 有紀吉成 大介髙橋 研吾市岡 健倉林 誠助川 晋作
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2025 年 75 巻 3 号 p. 285-289

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抄録

 症例は64歳,男性.腹痛,嘔吐を主訴に受診した.入院時のCTで肝内胆管拡張を認めた.入院7日目にERCPを施行し,総胆管結石を認めたため,ESTを施行し排石をしたが,十二指腸乳頭部より出血を認めた.処置後にCTを施行し,後腹膜気腫を認め,後腹膜穿孔と診断した.抗生剤による保存治療を開始し,2日後にENBDによる胆管減圧を試みたがカニュレーション困難であった.処置中に乳頭部より多量の黒緑色胆汁排泄を認め,胆汁うっ滞が疑われ,外科的に胆管減圧の方針とした.腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し,胆嚢管よりC-tubeを胆管内に留置した.胆管造影で胆管外への明らかな造影剤の漏出は認めなかった.術後C-tubeからの胆汁排泄は良好で,術後6日目にC-tubeをクランプ,術後14日目に退院となった.ERCPの偶発症の中で後腹膜穿孔は死亡率が高い.緊急手術を必要とする場合,開腹手術が選択されることが多いが,今回腹腔鏡下手術により治療し得た1例を経験したので報告する.

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