2026 年 76 巻 2 号 p. 167-175
目 的:新型コロナウイルス感染症流行以降に再開された市民参加型の長距離走大会の運営に関して,救護体制と感染対策についての状況を明らかにする.
方 法:群馬県内の市民参加型の長距離走大会(ハーフマラソン,フルマラソン,トレイルランニング大会含む)におけるレース中の救護の在り方や感染対策について2022年から2024年にかけてアンケート調査を行った.
結 果:3年間で10大会事務局から,のべ20レースに関する回答が得られた.参加ランナー総数は160人から16,831人.救護医師と救護スタッフの人数は0から20人,そして0から300人であった.ランナー1,000人当たりの救護医師と救護スタッフ数は0から9.7人,そして0から17.8人であった.救護医師数が2人以上のレースは40%にとどまり,救護スタッフ数が4人以上のレースは50%であった.Automated external defibrillator(AED)の配置数は1から17台.モバイルAEDは0から64台であった.回答中AEDの使用はなかった.応急処置は0から350人が受け,救急搬送されたランナーは0から17人であり,いずれも大規模レースで多かった.
感染対策は,全てのレースでアルコールによる手指消毒や体温測定などが行われた.5類感染症への移行後は参加者の健康チェックを除き感染対策が軽減されている.
結 語:群馬県内の長距離走大会の救護医師・スタッフ数は我が国の指針を満たす体制は50%以下と新型コロナウイルス感染前と比べ減少していた.AED設置数が十分でない大会も見られた.安全な大会運営のため,今後改善される必要があると考えられた.