頭蓋頸椎移行部病変に対する我々の治療方針および手術法について, 症例を提示して述べた。同部の不安定性により症状の出現した症例に対しては, ハローベストにて徐々に牽引矯正し, 神経所見およびMRI所見の改善程度によりその後の治療法を決定した.病態と症状の軽快消失した症例に対しては, 後方アプローチにて大孔減圧術に後頭骨頸椎固定術を行った。牽引にて改善の少ない症例には, 後方減圧固定術と前方からの経口腔的odontoidectomyを行った.本法にてより安全確実な治療が行えるが, 今後頭頸部の可動制限を少なくする方法の開発が望まれる.