抄録
BMI 値22を標準とした肥満とヤセの実態について, 平成7年度成績を群馬県と全国平均とで比較した.その結果, 当県では女性に過体重は多いが肥満は少ないことが示された.
なお県内地区別の検討では, 太り過ぎならびにヤセ気味・ヤセ過ぎの出現頻度に地域差がみられる.地域差の背景について市町村勢を検討すると, 男性では1人あたりの年間所得, 壮年女性では人口密度が関連をもっているようである.しかし, 地区の肥満度は超高齢者率や生活習慣病との間に明らかな関連を示していない.
食生活が欧米とは全く異なる群馬県にあっては, 肥満に関して欧米と同じ評価を下してはならないと考える.