北関東医学
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リハビリテーションの評価
第2報経皮酸素分圧測定による脳血管障害患者の片麻痺の下肢機能の評価
倉林 均久保田 一雄町田 泉
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1998 年 48 巻 4 号 p. 271-273

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抄録

1991-1993 年に当院に入院し病状の安定した脳血管障害による片麻痺患者18例 (64.8±11.2歳;脳梗塞13例, 脳出血5例) の麻痺側大腿動脈と下肢静脈の酸素分圧 (PaO2, PvO2), 及び両側大腿の経皮酸素分圧 (TcO2) を測定し, 片麻痺レベルと比較・検討した.片麻痺の強い症例では軽い症例に比べて, 麻痺側と健側のTcO2の差は有意に大きくなったが, 片麻痺レベルは健側TcO2, 麻痺側TcO2, PaO2, PvO2と関連はなかった.片麻痺による血管運動神経障害, 自律神経障害, 動静脈シャント開大, 皮下脂肪・筋の代謝障害などのため, 麻痺側下肢ではPaO2に比してTcO2が低くなり, また健側下肢よりも麻痺側下肢のTcO2が低くなったと推定され, 両側下肢のTcO2の差が片麻レベルの評価に有用であることが示唆された.

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