抄録
群馬県民の血色素量は昭和57年度以降ほとんど変動していない.これは同期間中の血清総コレステロール値が増加しつつある現象と対照的である.平成6~8年度の血色素量を同一年度の全国平均と比較すると, 当県では40~60歳代男と40~50歳代女に血色素量低値者が多い.これは当県の獣肉摂取量が少ないことが背景と思われる.特に40歳代女性では血色素量低値者が目立ち, 肥満者の約2割, 高コレステロール血症の2割弱は血色素量低値者である.食生活改善が叫ばれてから既にかなりの年月を経ているが, 未だに40歳代女性の血色素量低値者が多い実態は憂慮すべき問題である.この点については, 漫然たる従来の栄養指導から脱した慎重な施策が必要であると考える.