北関東医学
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地域精神保健福祉活動における保健所保健婦と市町村保健婦の役割と連携のあり方
19991105
森 陽子矢島 まさえ佐藤 由美吉田 亨大野 絢子
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キーワード: 精神保健, 保健婦, 地域保健
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2000 年 50 巻 1 号 p. 29-37

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抄録

本研究は地域保健法施行後の保健所・市町村保健婦による精神保健福祉活動の実態と今後の課題を明らかにすることを目的とした.全国都道府県保健所と市町村 (指定都市, 中核市, 政令市を除く) の保健婦主務者全数を対象に郵送自記式質問紙調査を実施.保健所347ヶ所 (70.4%), 市町村2,208ヶ所 (69.2%) の回答を得た.その結果, 以下の点があきらかになった.
1. 保健所では精神保健福祉事業を積極的に取り組み, 50.1%の保健所は今後も強化していく姿勢がみられた.
2. 市町村では対象事例への訪問指導68.5%, 家族会への支援29.7%, 精神保健福祉相談26.7%, 小規模作業所の運営・支援23.2%の割合で実施していた.
3. 保健所・市町村両者の期待される連携のあり方が精神保健福祉活動の各事業ごとに明らかになった.
4. 現任教育においては専門的な対人関係技術が必要とされるため, より実践に即した訓練が望まれる.
5. 市町村保健婦の積極的な精神保健福祉活動の実現にむけ, 研修体制整備や保健所保健婦との連携などシステムづくりが今後の課題である.

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