北関東医学
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患者の意思決定を支える看護の役割に関する研究
藤野 文代林 かおり前田 三枝子深川 ゆかり大野 絢子
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2000 年 50 巻 1 号 p. 39-43

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抄録
本研究の目的は看護婦が患者の意思決定について, どのように考えているかを明らかにし, 患者が自ら意思決定することを支援する看護について検討し, 看護の役割を提示していくことである.
研究対象は看護婦52人, 平均年齢37歳, 平均経験年数11年であった.方法は患者の意思決定に関する質問紙を独自に作成し, これを用いて, 片側郵送法にて調査した.
研究結果は患者が意思決定の場面において迷っていると看護婦が感じた内容と患者が相談した内容は転院・退院・手術に関することが主であり, 全体の65%を占めた.患者が迷っていると看護婦が感じた件数が1件の看護婦群と2件以上の看護婦群の比較において, 2件以上の看護婦群が有意 (P<0.05) に年齢が高く, 臨床経験年数が長くなっていた.
患者の意思決定を支える看護婦の資質として, 傾聴できること, 必要な援助としてはいつでも情報や知識の提供ができることが上げられた.
以上から, 患者は転院・退院や手術に関する意思決定について迷ったり, 相談していることが明らかになった.看護婦は患者の意思決定のプロセスにおいて, 重要な役割があることを認識し, 資質を高めていかなければならないことが明らかになった.
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