抄録
【背景・目的】舌小帯肥厚症などの疾患の診断, それらの疾患に対する手術や治療効果の客観的評価のために, 舌可動域測定器を開発し, 自発的舌最大前方可動域を検討する.【対象と方法】舌可動域測定器を開発する.次に健常成人19名を対象とし, 本装置により舌の可動域を測定する.一方, Martin式生体計測器を用いて被験者の身長, 最大頭長, 全頭高, 頬骨弓幅の測定を行う.【結論】独自の舌可動域測定器を開発した.本装置による健常成人19名についての平均自発的舌最大前方可動域は最小21mm, 最大39mm, 平均(28.8±5.4)mmであった.この値と各種生体計測値との問の関連性については, 身長, 頬骨弓幅との間に正の相関関係が認められた(危険率5%).【結果】自発的舌最大前方可動域は平均(28.8±5.4)mmであった.各種生体計測値との間の関連では身長, 頬骨弓幅との間に正の相関関係が認められた (危険率5%).【結語】1.舌可動域測定器を開発した.2.健常成人19名の自発的舌最大前方可動域は(28.8±5.4)mmであった.3.自発的舌最大前方可動域と身長, 頬骨弓幅との問に正の相関関係が認められた(危険率5%).